中央ヨーロッパに位置するチェコは、北はポーランド、東はスロバキア、南はオーストリア、西はドイツと国境を接する内陸国です。
1917年からスロバキアと共和国を構成していましたが、1993年に分離し現在に至っています。
首都はプラハで、プラハ首都特別区とクライと呼ばれる13の行政区に区分され、国内には12の世界文化遺産が点在しています。
かつての神聖ローマ帝国の都プラハをはじめ、ボヘミア王国時代の町並みが息づく世界遺産の街チェスキー・クルムロフ、温泉保養地カルロヴィ・ヴァリやビールのピルスナーの発祥地として知られるプルゼニュなど興味深いスポットも多く、さまざまな魅力にあふれています。
世界遺産「プラハ歴史地区」

チェコの表玄関、プラハは世界で唯一「プラハ歴史地区」として街そのものが世界遺産に認定されている都市です。
市内中心部には、スメタナの有名な交響詩『我が祖国』で知られるモルダウ川が流れ、その両岸に中世の面影を残す街並みが広がっています。
14世紀にボヘミア王カレル1世が神聖ローマ皇帝カール4世となり、都市づくりに力を入れたことから「黄金のプラハ」と呼ばれる美しい都市に発展し、11世紀から18世紀にかけて建てられたロマネスク、ゴシック、ルネサンス、バロック、ロココ、アールヌーヴォーなどさまざまな時代様式の建築物が多くあることから「建築の博物館」とも形容されています。
尖塔が多いことから「百塔のプラハ」とも呼ばれ、プラハ城、カレル橋、ストラホフ修道院、旧市庁舎、ゴルツ・キンスキー宮殿など見どころが満載です。
歴史ある古城の数々

プラハからドイツのマンハイムに連なる全長1,000kmに及ぶ「古城街道」にはいくつもの城が点在し、これらを巡るのも一興です。
カルルシュタイン城は、プラハのカレル橋の名前の語源にもなっているボヘミア王国の王、神聖ローマ皇帝カレル4世が1356年に建てた城で、王家の財宝や聖遺物、戴冠式で使用する宝物の保管場所として使用されていました。
コノピスチェ城はプラハの南約40kmのベネショフの郊外の森の中にたたずむ城で、1914年のサラエボ事件で暗殺されたハプスブルク家のフェルディナンド皇太子が住んでいた狩猟の館です。
モルダウ川を見下ろす高台に1250年に建てられた世界遺産のチェスキークルムロフ城は、さまざまな変遷を経て、創建当初のゴシック様式からルネサンス様式、バロック様式と増改築されてさまざまな建築様式が混在しています。
プラハ城に次ぐ規模の城郭で、4月~11月のみ見学が可能です。
日本人の味覚に合うチェコ料理

日本ではあまりなじみがないチェコ料理ですが、
「
「グラーシュ」
見ても食べても大満足できる国
プラハに次ぐボヘミア王国第2の都市として栄えた世界遺産の「クトナー・ホラ」も是非とも訪れたいスポットです。
13世紀に銀鉱脈が発見され、14~15世紀には銀の採掘と銀貨鋳造によって繁栄し、チェコの黄金期の経済を支えました。
王立造幣局で鋳造された銀貨は中央ヨーロッパの共通貨幣となって莫大な富をもたらし、チェコの経済・政治・文化の中心的都市となりました。
「聖バルバラ教会」は鉱山労働者の守護聖人 聖バルバラを祀り、市民が資金を集めて建てた教会で、立派な祭壇やフレスコ画などから当時の栄華をうかがうことができます。
面積は日本の約5分の1ほど、北海道より少しだけ狭いチェコは観光も食も大満足の国です。
