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引き締まった辛口が持ち味 文豪ゲーテが愛したドイツのフランケンワイン

FOODTIPS 投稿者: 吉川由美
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ドイツといえばビールが有名ですが、世界に誇るおいしいワインも生産されていることをご存じでしょうか。ドイツはぶどう栽培地として世界の北限に位置し、南部、南西部に13カ所の特定ワイン生産地域があります。ライン川流域のラインヘッセンやラインガウなどで産するラインワイン、風光明媚なモーゼル川、支流のザール川とルーヴァー川流域で造られるモーゼルワイン、フランスと国境を接するバーデン地方特産のバーデンワイン、バイエルン州北部、マイン川とその支流の沿岸で造られるフランケンワインなど、西からの温かいメキシコ湾流と東からの乾いた大陸性気候の影響を受け、独特な酸味と果実性を持つ上質ワインを生み出しています。今回はその中からフランケンワインに焦点を当て、その魅力をご紹介します。


厳しい自然環境を人間の知恵でカバー

ドイツワイン生産地域の最東端のフランケン地方はフランクフルトの東に位置する丘陵地帯で、大部分のぶどう畑は蛇行して流れるマイン川とその支流の沿岸に広がっています。北緯約50度という高緯度で寒暖の差の激しい大陸性気候のため、川に面した南向きの斜面に畑を作り、直射日光だけでなく川面に反射した太陽光を取り込むことによって日照量を確保しています。秋になると気温差によって川から発生した霧が寒さからぶどうを守ります。こうして日照時間の短さを人間の知恵で補い、北の地ならではの極上ワインを生み出しています。生産量の約6割が白ワインで、冷涼な気候のため、ブドウの糖度はヨーロッパの近隣諸国で栽培される同系のぶどうに比べて低く、そのためアルコール度数は比較的低いものの、辛口比率が高いのがフランケンワインの特徴です。


味に特徴をもたらす「フランケンの三枚岩」

フランケン地方は、マイン川に沿って3つの生産地区分(ベライヒ)に分けられています。それぞれマイン川の形を表す名称がつけられており、下流域、西部はマインフィアエック(マインの四角)、中央のビュルツブルク周辺はマインドライエック(マインの三角)、上流・東部地域はシュタイガーヴァルトと呼ばれ、それぞれ異なる味のフランケンワインを生産しています。その味を特徴付けているのは、はるか2億5100万年前から1億9960万年前の三畳紀にできた土壌で、「フランケンの三枚岩」と呼ばれる彩色砂岩、貝殻石灰岩、コイパー統の地層が関係しています。マインフィアエックは彩色砂岩に由来し鉄分を感じる味、マインドライエックは貝殻石灰岩に由来するクリアかつピュアな味、シュタイガーヴァルトはコイパー統に由来する鉱物を思わせる香りで「石のワイン」とも評されています。寒暖差の激しい気候と独特の土壌がフランケン地方のぶどうに凝縮した果実味とミネラルをもたらしています。


本物の証 フランケンワインの象徴「ボックスボイテル」

フランケンワインは中味だけでなく、容器の形も個性的です。一目でフランケンワインとわかる丸みを帯びたずんぐりとしたボトルは「ボックスボイテル」と呼ばれるオリジナルボトルで、18世紀にヴュルツブルクを代表する醸造所「ビュルガーシュピタール」が、当時横行していた粗悪ワインと区別するために用いたものです。ボックスボイテルとは「山羊の陰嚢(いんのう)」という意味で、元々は皮製のワイン袋を真似てつくられたものと言われており、この容器にワインを詰め、役所の蝋で封印し、本物と区別しました。この伝統は今も継承され、ボックスボイテルに入れることができるワインと生産地区はドイツワイン法で決められており、それ以外は使用できないことになっています。


ゲーテもとりこになった男性的な味わい

甘口が主流で口当たりが優しいドイツワインは一般的に「女性的」と評されることが多いのですが、フランケンワインはその引き締まった辛口な味わいから「男性的」と形容されています。香は弱いものの、力強いコクと辛口のきりっとした飲み口に魅せられるファンも多く、ドイツを代表する文豪ゲーテもフランケンワインを好んで飲んだひとりでした。1806年に妻に送った手紙で「ぜひ何本かのビュツブルガーを送ってくれ。他のワインはひとつとして私にはおいしくなく、いつもの大好きな飲み物をきらしていると私は不機嫌になってしまうのだ。」とヴュルツブルク産のワインを所望しています。最近は白ワインだけでなく赤ワインにも力を入れているドイツの辛口ワイン、見かけたらぜひ味わってみてください。


この記事の著者
こんにちは!台北在住の専業主婦の吉川です♪ 在住者だからこそ知っている台湾の生情報やお薦めのレストラン、旅行会社に勤務しながら、趣味と実益を兼ねて旅した世界50カ国の都市の見どころや観光ポイントをた~くさんご紹介させていただきます♪

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