東南アジア最長のメコン川はチベット高原に源を発し、およそ4,200キロにわたって中国、ミャンマー、タイ、ラオス、カンボジア、ベトナムを縦断し南シナ海に注いでいます。
そのメコン川がタイ、ラオス、ミャンマーの3カ国の国境と接する場所がゴールデントライアングル(黄金の三角地帯)と呼ばれるエリア。
昔は世界最大の麻薬・覚醒剤密造地帯のひとつでしたが、現在は治安もよくなり、世界中から観光客が訪れています。
ここを起点に国境を越えて、ラオス、ミャンマーに1Dayドライブに出掛けてみませんか。
ゴールデントライアングルの見どころ
ゴールデントライアングルはタイ北部最大の都市チェンマイの北、チェンライからさらにバスで約2時間のところに位置するチェンセーン郡にあります。かつてはアヘンの原料であるケシを栽培し、麻薬・覚醒剤密造地帯として軍事衝突や利権争いが頻発する危険な地域でしたが、1996年に麻薬王のクン・サがミャンマー政府に投降、2002年にケシ栽培禁止令が出されると徐々に治安が回復し、現在は国境を見渡せる観光スポットとなっています。
メコン川の合流地点近くには土産物屋が並び、黄金色をした大きな仏像が鎮座しています。
まずはその近くにある「オピウム博物館」へ行ってみましょう。アヘンの栽培過程の説明や実際に使用されていたアヘン吸引器具や製造器具などが数多く展示されていて、アヘンが蔓延していた当時の様子を知ることができます。
続いて博物館の右側の階段を上ったところにある展望台へ。ここからタイとラオスを隔てるメコン川とタイとミャンマーを隔てるルアク川が合流する光景を見ることができます。
この景色を堪能したら、いよいよラオスとミャンマーのショートトリップに出発です♪
ラオス・ドンサオ島に上陸!

ラオスとの国境ゲートは、ゴールデントライアングルの町から車で約15分のチェンコーンにあります。サイ・クラーン通り沿いの船着場にあるイミグレーションオフィスで出国手続き後、ジェットボートでメコン川の中洲にあるドンサオ島に向かいます。その間わずか10分。桟橋に着き、階段を上った先にある金色のドームがラオスのイミグレーションオフィスで、タイバーツで入国税を支払いいざ入国です。
ドンサオ島でのお楽しみ、それはズバリ、カジノです。イミグレーション前から送迎バスに乗り、約5分でホテルに隣接されたカジノに到着します。
このカジノは中国資本で、興じている客もほとんどが中国人です。バカラやスロットマシンなど何でもお好み次第。ルーレットは最低賭金が100バーツで、中には10バーツずつ賭けられるマシーンもあるので初心者用でも安心して楽しめます。帰りは入口のインフォメーションカウンターで申し込むと無料で桟橋まで送ってもらえます。
ラオスへはパスポートの残存有効期限が6カ月以上あり、滞在日数が15日以内の場合はビザなしで滞在できます。
タイ・メーサイからミャンマー・タチレクへ
再びジェットボートに乗ってタイに戻り、今度はミャンマーを目指します。国境ゲートがあるのはチェンコーンから車で約2時間のところにあるタイ最北端の町メーサイ。国境ゲート付近は両国の人々や物資が行き交い、露店もたくさん出ていて活気に満ちています。
ここから徒歩でミャンマーのタチレクへ入国します。ミャンマー入国には通常はビザが必要ですが、タチレクからの陸路入国は滞在可能日数14日間、国境から5キロ以内の範囲のみという条件付きでビザなしで入国できます。パスポートの残存有効期限は入国時6カ月以上必要です。
タイとミャンマーの国境の小さな川にかかる橋を渡ると、左側通行から右側通行に。なんと時差も30分あります。
イミグレーションで入国税をタイバーツで支払うとその場で写真撮影があり、間もなくそれが印刷されたエントリーパーミット(入国許可証)が発行されます。パスポートと引き換えにそれを受け取ってミャンマーに入国です。
出国時は再びパスポートと引き換えるので、くれぐれもなくさないようにしましょう。
ミャンマー観光

ゲートを出ると、客引きのソンテウが待ち受けていて、2時間くらいの観光コースを勧めてくれます。
未鋪装のガタガタ道を走り、眼に入るのは何十年もの昔を思い出させる素朴な風景。両国の経済力の差は歴然です。
最初の訪問地は「Township Dhammayon Tachilek寺院」。中央の白い仏様の回りに電飾がきらめき、その前で人々が祈りを捧げています。
次は高台にあるシュエダゴン・パゴダへ。金色の仏塔が青空に映えてとても美しく、キラキラに輝いています。周りを囲むのは曜日の神様。自分が生まれた曜日の神様に祈ると良いことがあるそうです。
首長族の女性とご対面!

タチレクでのもうひとつのお楽しみは、アカ族や首長族という少数山岳民族の人たちに出会えること。レジーナホテルの敷地内にある民俗村で気軽に写真撮影に応じてくれます。
首長族の女性の姿はとても印象的です。首が伸びているように見えますが、実際は肩が下がっているのだとか。昔、虎に首を噛まれて命を落とした人がいたことから首輪をつける習慣が生まれたそうです。
帰路、地元の市場に立ち寄り庶民の暮らしぶりを垣間見て、ミャンマー観光は終了。またタイに戻ります。
観光目的に限ります
1日でタイ、ラオス、ミャンマーの3カ国訪問。いかがでしたか。
しかしこういう日程で観光できるのは、あくまでも目的が観光の場合に限ります。同日に出入国を繰り返すと、滞在期間を延長するビザランと疑われてイミグレで尋問されるケースもあるので、観光であることを証明する航空券やホテルバウチャー、旅程表などを提示できるようにご用意ください。
メーサイのイミグレーションのオープン時間にもご注意。平日は6:00-18:00、土日は6:00-21:00で、この時間以外は通行はできません。このオープン時間やビザ情報などは事前にご自身で最新情報を確認してくださいね。
