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天台宗総本山のお膝元、洛北・大原で心を癒す旅

CULTURESPOT 投稿者: ココマチ編集部
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多くの歴史的建築物がたち並び、数々の歴史的舞台が残る京都。大原は、その京都の中心部から北東にある地です。比叡山西麓をのぞみ、高野川の流れる盆地で、京都に位置した平安京から若狭湾までを結ぶ役割を果たした若狭街道の中継地として栄えてきました。平安時代に最澄を開祖として開かれた天台宗の総本山である比叡山延暦寺がそばにあるため、天台宗の寺院が多く見られます。古くからそれらの寺院の参詣客や観光客が多く訪れる地でしたが、1960年代にヒットした曲に大原の地名が登場すること、1970年代に放送されたドラマで大原が舞台になったことから、京都でも有数の観光地としてさらに名が知られるようになりました。
ここではそれら天台宗の寺院の中でも特に観光客に人気のある、延暦寺の別院である三千院、勝林院の塔頭で美しい庭園が自慢の宝泉院、尼寺である寂光院についてご紹介します。


世俗を離れた苔むす庭園が美しい 三千院

比叡山延暦寺の別院である三千院は、788年に最澄が創建してから幾度もの移転が繰り返され、1871年に現在の大原の地に落ち着きました。青蓮院、妙法院と並んで天台宗三門跡寺院と称されていて、その中でも最古の歴史を持ちます。門跡寺院とは皇族や貴族などが世俗を離れて住んだ特定の寺院のことで、優美な風格が見どころです。本堂の往生極楽院の起源は諸説ありますが、元々大原に建つ阿弥陀堂で門跡とは無関係であったものが、三千院の移転に伴い境内に組み込まれて現在の形となっています。 特に見どころとして知られているのが聚碧園(しゅへきえん)と有清園(ゆうせいえん)という2つの庭園です。江戸時代の茶人金森宗和によって築かれたもので、両方とも美しい苔が特長です。紅葉や雪に彩られた庭園は苔とのコントラストが幻想的で、日常を忘れた時を過ごすことができます。


美しい庭園で歴史に浸る 宝泉院

三千院の参道を奥へと進むと、同じく天台宗の寺院である勝林院の僧坊のひとつである宝泉院があります。1012年の創建という歴史ある建築物で、門を入ると樹齢700年を超える見事な五葉松が客人を迎えます。近江富士を模しているというこの松があるのが、「立ち去りがたい」という意味を持つ盤桓園という名の庭です。座敷の柱によって額縁に囲まれたような庭園の景観を楽しむことができ、その美しく静寂な景色は名前の通りいつまでも見ていたいほどです。格子越しに鑑賞する鶴亀庭園、平成17年に造られた宝楽園とともに、大原の自然美に浸ることができる癒しの空間となっています。 関ヶ原の戦いで徳川家康の家臣数百人が自刃したという伏見城の床板を、供養のために天井板として使っている「血天井」など、庭園の景観だけではなく歴史的な見どころにもあふれています。


復元された尼寺 寂光院

大原にある天台宗の尼寺寂光院の創建は諸説あり、用明天皇の供養のために聖徳太子が建立したと伝えられる他に、空海や良忍の開基とされている説もあります。住職は代々高貴な家柄の姫が継いでいたとされ、平安時代末期には平清盛の息女で高倉天皇の后であった建礼門院徳子が入寺し、壇ノ浦の戦いで滅亡した平家と高倉・安徳両天皇の菩提を弔うため一生を過ごしました。その後一時寺は廃れていきましたが、16世紀末から17世紀にかけて豊臣秀吉の側室淀君の願いにより再興されました。 本堂は飛鳥時代、平安時代、桃山時代の建築様式が残されていたという歴史的に大変貴重なものでしたが、平成12年に放火によって焼失し、本尊であった六万体地蔵尊も激しく損傷してしまいました。現在の本堂は平成17年に復元されたものです。本尊も特別公開時以外は収納庫に安置されています。


隠遁の地大原で 心を癒す旅を

大原は古くから、俗世の喧騒を離れて都から逃れてきた人々が隠棲する地でした。出家して寂光院に入寺した建礼門院をはじめ、藤原顕信や西行、鴨長明など多くの歴史上の人物が晩年をこの地で過ごしています。また藤原氏が権勢を誇った時代に、文徳天皇の第一皇子で次代天皇となるはずだった惟喬親王が出家して大原に移り住んだことは「伊勢物語」でも語られています。そのように心が慰められ、癒される地であるからこそ、現代でも多くの観光客が訪れるのでしょう。 また大原は仏教音楽である声明(しょうみょう)の発祥の地とも言われ、数多くある天台宗の寺院では声明を聴いたり、関連する楽器に触れたりできるところもあります。美しい庭園で俗世を離れた音楽に身を浸し、歴史に心を馳せながらしばし時を忘れる。そのような旅に、ぜひ出かけてみてはいかがでしょうか。


この記事の著者
こんにちは☆ココマチ編集部です。 旅をすることが大好きです。世界中に友達を作り、毎月各国の友達に会いにいく生活を目指しています! よろしくお願います( ´艸`)

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