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シェムリアップの旅行ガイド

TOWN 投稿者: ココマチ編集部
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カンボジア北西部、首都プノンペンの北西約300kmの場所に位置するシェムリアップは、世界遺産アンコール遺跡群の玄関口として、世界中から観光客が集う町です。

クメール王朝(802年~1431年)の時代に町が興され、歴代の王たちによって次々と王宮が建設されて繁栄を極めましたが、隣国のシャム(現在のタイ)の台頭により、以後、長きにわたってその支配を受けます。

「シェムリアップ」は「Siem(シャム=タイ)を追い出した(Reap)」という意味で、17世紀にシャムのアユタヤ王朝の軍隊に勝利した『戦勝の地』という意味が込められています。しかし、その後も19世紀にかけて、隣国タイやベトナムの侵攻や干渉が続き、19世紀中頃からはフランスによるインドシナ半島の植民地化によって仏領インドシナの一部に併合、1953年に完全独立を達成しましたが、やがてカンボジア内戦が始まり受難の時代を迎えます。1993年に「カンボジア王国」が樹立され、政府が外国人観光客の入国を認めるようになると、シェムリアップはアンコール遺跡観光の拠点となり、多くの観光客が訪れるようになりました。「観光の町」としてホテルやレストランが続々と建設され、受け入れ体制も整って、現在も発展し続けています。

町のメインストリートであるシヴァタ通りは交通量も多く、近くにはオールドマーケットやナイトマーケットなど人気のスポットがあります。しかし町から一歩離れると未舗装の道も多く、伝統的な高床式の家々が並んでいます。また町の南側にある東南アジア最大の湖であるトンレサップ湖の湖畔には、漁業を営む住人の水上家屋が密集するなど、まだまだ牧歌的な雰囲気が見られるのも特徴です。

日本とは時差が2時間あり、カンボジアの方が遅れています。熱帯モンスーン気候に属し、乾季の11~5月が旅行に適しており、中でも比較的過ごしやすい11~1月がベストシーズンです。1年を通じて真夏並の気温が続くので、日本の夏の服装で大丈夫ですが、冷房の効き過ぎや日焼け対策に長袖のシャツが1枚あると便利です。


シェムリアップの観光

シェムリアップ川に沿って広がるシェムリアップの町は、アンコール遺跡群を訪れる観光客が観光の拠点として滞在するところ。小さな町ですが、遺跡観光と合わせて楽しめるスポットがたくさんあります。

まずお勧めしたいのが、「アンコール国立博物館」です。アンコール遺跡から出土した彫刻やレリーフなど5,000点以上を所蔵し、年代やテーマごとに8つのギャラリーに分けて展示されています。貴重な出土品を至近距離から見ることができ、映像や日本語イヤホンガイドで歴史や背景などをより詳しく知ることができます。館内は冷房がよく効いているので、見学の合間の休憩にも最適です。

日中の暑い時間帯は人気も少なく、ひっそりしているシェムリアップの町ですが、日が落ちて夕闇が迫ると徐々に活気づいてきます。

夕食は、ユネスコの無形文化遺産に登録されている伝統芸能「スバエク」と「アプサラダンス」を鑑賞しながら召し上がってはいかがでしょう。

「スバエク」はスクリーン越しに上演される影絵芝居で、「スバエク・トム」は牛の皮で作られた大型の人形をかがり火で灯しながら上演する大掛かりなもの、「スバエク・トーイ」は手足が動く小型の人形で演じられる小規模なもので、市内のレストランで鑑賞することができます。精巧に作られた人形が舞台裏で演奏される音楽と語り部に合わせてコミカルに動き、言葉がわからなくても充分楽しめます。

「アプサラダンス」は、きらびやかな衣装をまとった踊り手が優雅に舞う古来より伝わる宮廷舞踊の一つです。アプサラの語源は「アプサラス」という古代インド神話に登場する天女で、アンコールワットの壁画のレリーフにも舞を踊る姿が刻まれています。伝統楽器が奏でる曲に合わせて、手と指先を妖艶に動かして舞う姿はとても美しく、必見です。

たっぷり伝統芸能を楽しんだら、市内中心部にあるナイトマーケットに繰り出しましょう。迷路のように入り組んだ狭い路地にたくさん露店が並んでいて、ローカル感がたっぷり味わえます。深夜までの営業で、値段は交渉制。昼間観光で忙しくても、ここでお土産をゲットすることができます。近くにある「パブストリート」は一瞬、カンボジアにいることを忘れてしまいそうな雰囲気の繁華街で、オシャレなレストランやパブが集っています。シェムリアップの長い1日をここで締めくくるのもいいですね。


アンコール遺跡がたどった歴史

カンボジア最大の観光地、アンコール遺跡は9世紀から約600年間続いたクメール王朝の栄華を物語る遺跡群です。

シェムリアップ市内や郊外に点在し、歴代の王たちが即位するたびに新しく建てられた寺院の数は大小700にも及ぶといわれています。

現在目にすることができる遺跡の規模からも絶大な国力を誇っていたことが推測できますが、そのクメール王朝も内紛や隣国アユタヤ王朝などの外敵の侵攻で1432年に滅び、都がプノンペンに移された後は密林の中に埋もれて、その存在さえも長く世間から忘れられていました。

1860年、インドシナ半島を調査していたフランスの植物学者アンリ・ムオが遺跡の一部を発見し、その存在を紹介したことによってクメール文化の価値が認識されます。しかし1970年にカンボジア内戦が勃発。遺跡は戦禍を被り、荒れ果て、再びこの地に平和が戻るにはおよそ20年という長い歳月がかかりました。1992年に晴れてユネスコの世界文化遺産に登録されましたが、同時に危機遺産リストにも登録されました。その後の懸命な修復、保護活動によって2004年にそのリストから外されましたが、人間によって造られた偉大な建造物が同じく人間の手によって壊されるという「創造と破壊」のふたつの側面を顕著に示した人類の遺産とも言えます。


アンコール遺跡群ラインアップ

行ってみたい世界遺産ランキングで常に上位にランクインされる「アンコール遺跡群」。その見どころを抜粋してご紹介します。

アンコール・ワット

カンボジアの国旗にも描かれているアンコール遺跡群を代表する寺院で、12世紀前半に創建されました。左右対称の大伽藍と内部に残る美しい彫刻は『クメール建築の傑作』と称えられ、世界中から訪れる観光客を魅了しています。「第一回廊」の壁一面に残るレリーフは神話や歴史を題材にしたもので、中でもヒンドゥー教の天地創造神話を描写した「乳海撹拌」は必見です。十字回廊には日本人が書いた墨書も残されています。正面が西に向いているので、観光は写真がきれいに撮れる午後がお勧めですが、朝日とともに浮かび上がる早朝の光景も人気です。

アンコール・トム

アンコールワットとともにカンボジアの2大遺跡として知られるアンコールトムは、クメール王朝最盛期の12世紀後半に建立されました。一辺約3kmの正方形をした周囲12kmにおよぶ広大な都で、中央部分に位置する「バイヨン」が最大の見どころです。「クメールの微笑み」と称される巨大な人面像は圧巻で、その温和な表情に惹きつけられます。三層回廊の寺院「パプーオン」や王の接見所だった「象のテラス」「ライ王のテラス」、「王宮跡」、王族の儀式が行なわれた「ピミアナカス」なども合わせて見学しましょう。

タ・プローム

アンコール・トムと同時期に建立された寺院で、何より印象に残るのは遺跡がガジュマルという植物に侵食されている光景です。太い根が遺跡に絡みつき、遺跡を覆っています。この巨大な樹木は遺跡を破壊しているのか、それとも遺跡を支えているのか、もはや分からない状態で、崩壊が懸念されるとに同時に樹木の生命力をも感じます。

バンテアイ・スレイ

「女の砦」を意味する「バンテアイ・スレイ」は紅土と赤い砂岩でできているため、全体的に赤みを帯び、他の遺跡とは違った趣きがあります。随所に見られる彫刻はとても精巧で、その美しさから「アンコール芸術の至宝」と称されています。中でも「東洋のモナリザ」と呼ばれるデヴァター像は小さいながらも優美で、見る人を釘付けにします。

ベンメリア

アンコール・ワット建造前の11世紀末~12世紀初めに建てられ、アンコールワットと共通点が多く見られることから、そのモデルとなったと言われています。崩壊が激しく、現在も修復がなされないまま放置されています。その様子は廃墟そのもの。傾いた屋根の上に上ったり、暗闇の回廊を歩いたりして見学します。いまだ密林の中で神秘のベールに包まれている遺跡です。

クバール・スピアン

シェムリアップから北へ50kmの郊外、クメール王朝発祥の地であるクーレン山の西側山頂に位置する水中遺跡です。山の麓から約40分のトレッキングを経て山頂に着くと、そこにはシェムリアップ川の源流が流れており、その川底約200mにわたってヒンドゥー教の神々やシヴァ神の象徴リンガ、カエルの彫刻などが彫られています。水の流れの中に見える彫刻はとても神秘的。聖水が流れる渓流に神々が眠っています。

ロリュオス遺跡群

シェムリアップの東約15kmの場所にある「ロリュオス遺跡群」はクメール王国の最初の王都だったところです。8世紀末から9世紀にかけて栄え、その栄華の跡が田園の中に点在しています。「プリア・コ-」は879年創建のアンコール遺跡群最古の寺院です。「聖なる牛」という意味を持ち、聖牛ナンディンの彫像があることに因んでいます。「バコン」は881年創建。一番最初に建てられたピラミッド型寺院で、五層の基壇の上に祠堂が1基あり、象の彫像が印象的です。「ロレイ」は893年創建。貯水池の中心に造られた小島に建てられ、船着き場の跡と思われる階段が残されています。ロレイが建てられた後、治水問題のため、現在のアンコール地方へと遷都されました。



この記事の著者
こんにちは☆ココマチ編集部です。 旅をすることが大好きです。世界中に友達を作り、毎月各国の友達に会いにいく生活を目指しています! よろしくお願います( ´艸`)

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