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フランスの中のドイツ 世界遺産ストラスブールの旧市街

SPOTTOWN 投稿者: 吉川由美
フランスの中のドイツ 世界遺産ストラスブールの旧市街

フランスの東端、アルザス地方の中心都市ストラスブール。
ドイツ語の「街道の街(シュトラースブルク)」を語源とし、南北を結ぶライン川と東西を結ぶ街道が交わる交通の要衝として古くから発展してきました。
ドイツとの国境に位置するため、石炭や鉄鉱石をめぐってドイツと激しく領有権が争われ、現在まで5回も領有国が変わるという複雑な歴史を持っています。
そのため、街には木組みの家々をはじめとするドイツ風の建物や、ドイツ語に近いアルザス語の看板など、ドイツ文化の影響があちこちに残り、ラテン文化とゲルマン文化が融合した独特の文化が根付いています。
戦後はヨーロッパ統合の象徴として、欧州議会、欧州評議会、欧州人権裁判所が置かれ、ベルギーのブリュッセルと共にEUの機関都市のひとつという新たな役割を担っています。


旧市街のランドマーク「ストラスブール大聖堂」

1988年、中世時代の街並みを残す旧市街が「ストラスブールのグランド・イル」としてユネスコの世界文化遺産に登録されました。
ライン川に合流するイル川の中洲が2本の水路に分岐し、旧市街を囲むように流れた後再び合流しているため、運河に囲まれた島のような形状になっており、そのランドマークとして君臨しているのが「ストラスブール大聖堂」です。
かつて世界一の高さを誇った142メートルの尖塔をもつ教会で、尖塔が片方しかないのが特徴です。
ヴィクトル・ユーゴーが「巨大で繊細な驚異」と評した赤色砂岩の大聖堂は、ヴォージュ山脈の砂岩でできていてバラ色に輝き、壁に施された緻密な彫刻も見ものです。
大聖堂の南の翼廊にある天文時計は、人の人生を表現したからくり時計で、6時~18時までは15分おきに骸骨が現れ、毎日12時半にキリストの前を12使徒が行進してニワトリが歌い、道行く人を楽しませています。


木組みの家々が並ぶ憩いのスポット「ラ・プティットフランス」

旧市街の西側、イル川が4本に分岐している中州一帯は、ストラスブールの古い町並みが最もよく保存されている「ラ・プティットフランス」と呼ばれるエリアです。
多くの水を必要とする製粉業者やなめし革職人らが住んでいたところで、木組みの家や切妻の家など16世紀から17世紀のアルザス地方の典型的な建築様式の家々が並んでいます。
第二次世界大戦の戦火にあい建物は破壊されてしまいましたが、その後、忠実に再現され、往時の輝きを取り戻しました。
木組みの家々が醸し出す素朴さとフランスならではの洗練さが加わった街並みは、ストラスブール観光のもう一つのハイライトで、レストランやカフェなども多く、メルヘンチックな家々を眺めながら散策が楽しめる人気スポットとなっています。


マリー・アントワネットも訪れた美しい宮殿「ロアン宮」

「ロアン宮」は、18世紀にストラスブールのロアン枢機卿の宮殿として建てられた建物で、ヴェルサイユ宮殿の礼拝堂を手がけた王室設計技師ロベール・ド・コットによって設計されました。
壮麗な佇まいで、豪華な内装が施され、当時の優雅な生活がしのばれます。
フランス王妃マリー・アントワネットや皇帝ナポレオンも訪れたというこの宮殿は、現在は3つのミュージアムになっています。
1階は陶器や金細工、時計等、貴重なコレクションが収蔵されている装飾博物館、2階は18-19世紀の絵画が展示されている美術館、地下はアルザス地方で発掘された旧石器時代の道具や狩りの武器等を展示する考古学博物館で、これらの展示品を見ながら、美しい宮殿も堪能できます。


歴史に翻弄された街

ストラスブールは、かつてドイツの神聖ローマ帝国領でしたが、17世紀にフランスの王政下に置かれ、普仏戦争でドイツ領となり、第一次大戦後再びフランス領に、さらに第二次世界大戦時にナチス・ドイツに占領され、戦後フランス領に復帰するという激動の歴史をたどってきました。
「フランスの中のドイツ」と言われる所以で、ドイツ西部、ライン川沿岸のラインラントの田園的な雰囲気とフランスの雰囲気が融合した希少な街となっています。
市内の一区域が世界遺産に登録されたのはこのストラスブール市が初めてで、パリのシャルル・ド・ゴール空港や東駅からTGV東線で2時間20分とアクセスも抜群。
日帰りも可能ですが、できればゆっくり滞在したい街です。


この記事の著者
こんにちは!台北在住の専業主婦の吉川です♪ 在住者だからこそ知っている台湾の生情報やお薦めのレストラン、旅行会社に勤務しながら、趣味と実益を兼ねて旅した世界50カ国の都市の見どころや観光ポイントをた~くさんご紹介させていただきます♪

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