もともとは中央アジアにいたというトルコ民族。現在のアナトリア半島へ移動し、帝国を作り上げて繁栄した彼らは、世界三大料理といわれるまでに自分たちの民族の郷土料理を昇華させました。多種多彩なトルコ料理の中から、代表的なものを3点ピックアップして紹介しましょう。日本でもよく知られた「ケバブ」、日本ではあまり知られていない「ピデ」、トルコならではの特徴を持ったトルコ料理の「アイスクリーム」についてお届けします。
トルコの肉料理、ケバブ

薄く切った肉を塊にし、縦に置いてぐるぐる回しながら焼いている光景が印象的なケバブ。ケバブはトルコ料理で、焼いた肉料理全般を指します。ケバブには種類がいくつもあり、屋台や街角でよく見かけるようになった上記の光景はドネルケバブといって、ドネルには回すという意味があります。ケバブを串に刺して焼いたものがシシケバブです。ケバブに使われる肉は多岐にわたり、羊肉や牛肉、鶏肉があります。トルコはイスラム教国なので、豚肉が使われることはありません。
トルコ風ピザともいえる、ピデ

日本人にとっては、トルコ風ピザといった方が分かりやすいのではないでしょうか。ピデは船のように細長くした生地に具をのせて焼いたものです。具材にはひき肉やヒツジのチーズ、ホウレンソウなどさまざまなものが使われ、具材を変えるといろいろなバリエーションが楽しめます。生地は、外側がカリッとしていて中がモチモチしており、インドのナンに似ているといわれます。また具材をのせないで丸形にした、シンプルなピデもあります。
サーレップが伸びる秘密、トルコのアイスクリーム

トルコではドンドゥルマと呼ばれるアイスクリーム。ただしこのドンドゥルマは氷菓全般を指す言葉のため、アイスクリームのみをドンドゥルマというわけではありません。日本ではトルコアイスの名称で知られ、長い棒でよく練って、びよーんと伸びるアイスクリームという認識が一般的です。トルコアイスが伸びる理由は原材料にあり、サーレップという、トルコの山岳地帯に自生するラン科オルキス属の植物の根を粉末にしたものが含まれているためです。
トルコ料理を楽しもう
「ケバブ」「ピデ」「アイスクリーム」のトルコ料理について紹介しました。中央アジアの遊牧民族だったころの名残ともいえる羊肉を使った料理、アナトリア半島で大帝国としての繁栄を彷彿とさせる、高価な材料を用いた手の込んだ高級料理、周辺諸国から影響を受けた国際色豊かな料理、そんな幅の広さがトルコの料理の魅力といえるでしょう。紹介した以外にもさまざまな料理があるトルコの味覚。トルコを訪れた際には、それらを味わってみてくださいね。
