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チャオプラヤー川の宝石 バンコクの暁の寺「ワット・アルン」

CULTURESPOT 投稿者: 吉川由美
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バンコクを縦断するチャオプラヤー川の西岸にそびえる「ワット・アルン」。現在の10バーツ硬貨に描かれているバンコクを代表する寺院のひとつで、現王朝の前のトンブリー王朝のタークシン王が王家の菩提寺として建立したのがその始まりです。その後、現チャクリー王朝の歴代国王によって改修、増築されて現在の姿となりました。ワットはタイ語で寺、アルンは暁で、三島由紀夫の小説『暁の寺』の舞台ともなったことでも知られています。川のたもとに大小の仏塔が規則正しく立つ姿は1枚の絵画のようで、その美しさにきっと彼も魅せられたことでしょう。対岸から全景を見ることはできますが、間近で仏塔を見ないとその真の価値はわかりません。川を渡ってワット・アルンを堪能しに行きましょう。


専用ボートでアクセス

ワット・アルンは、チャオプラヤー川の西岸、王宮やワット・プラケオなどと川を隔てた向かいにたたずんでいます。黄金の巨大な涅槃仏で知られるワット・ポーのちょうど向かいに位置し、タイワン通りの突き当りにあるターティアン船着き場からワット・アルン行きの専用ボートが10~15分間隔で運航されています。桟橋の入り口の料金所で支払い、到着した船に乗って約5分で対岸のワット・アルン船着き場に到着。寺院は土産物店が並ぶ道を歩いてすぐです。チャオプラヤーエクスプレスボート利用の場合は、BTSサパーンタクシン駅の真下にあるサトーンピア船着き場から約15分でターティアン船着き場に到着します。このターティアン船着き場は、ワット・アルンの全景が見える絶好のシャッターポイント!川の向こうにすっくと立つ姿はバンコクを象徴する風景で、特に夜景がお薦め。夕刻からライトアップされて徐々に金色に輝いていくシルエットは忘れられないシーンとなるでしょう。


ラマ2世の菩提寺となったエメラルド仏ゆかりの寺院

ワット・アルンの前身は、タークシン王が前アユタヤ王朝時代の寺院跡に建てたワット・チェーン(夜明けの寺)で、現在、ワット・プラケオにあるエメラルド仏はトンブリー王朝時、ここに安置されていました。タークシン王に仕えていた現王朝の創始者ラマ1世は、1779年に王の命でヴィエンチャン(ラオス)を攻略、戦利品としてエメラルド仏を持ち帰りました。当初はこの寺院に置かれていましたが、やがてラマ1世は乱心したタークシン王を倒してチャクリー王朝を創設。1785年にワット・プラケオが建立されるとラマ2世によって移され、現在に至ります。以降、ワット・アルンはラマ2世の保護を受けて拡大していきます。彼が建てた本堂にある釈迦坐像の顔はラマ2世自ら彫ったもので、台座には遺骨が納められています。後にラマ4世によって大修復され、3メートル以上ある青鬼と白鬼が門番を務めています。


モザイク装飾が美しい仏塔

ワット・アルンのシンボルは中央にそびえる高さ約80メートルの大仏塔。それと周りを取り巻く4基の小仏塔が造られたのはラマ2世の時代で、ラマ3世によって完成されました。全体的にヒンドゥー教の影響を強く受けており、ヤック(鬼神)とヨック(猿神)が支える大仏塔の基台はヒンドゥー教のシヴァ神が住む聖地、ヒマラヤ山脈のカイラーサ山を模したもの。階段を上ったテラスには3つの頭を持つエラワン(象神)の上に乗ったインドラ神の像が置かれ、その上のクメール様式の尖塔の先端にはシヴァ神を表す印もあります。注目は5基の仏塔の表面を飾るモザイクの装飾。当時大量に輸入されていた中国製の彩色陶器の破片がひとつひとつ手作業で貼り付けられており、その精巧さと美しさに目を奪われます。


タイの近代史と歩んだ寺院

大仏塔のテラスからは、雄大なチャオプラヤー川を目の前にラマ1世によって築かれたバンコクの街が一望できます。反対側に目を転じると、アユタヤ王朝時の遺構である御堂が静かにたたずんでおり、アユタヤ、トンブリー、チャクリーと歩んできたタイの近代史の舞台であったことがわかります。ここがワット・アルンと呼ばれるようになったのはラマ4世の時代からで、トンブリーで最初に朝日が差し込む場所としてインドのヒンドゥー教の暁の神アルナから名付けられたといいます。まさしくこの地を夜明けとし、現王朝の栄光は始まりました。2016年10月、ラマ9世が逝去しひとつの時代は終わりましたが、創設以来約240年、これからも厳かな仏教文化のもとでたゆまず発展し続けていくことでしょう。


この記事の著者
こんにちは!台北在住の専業主婦の吉川です♪ 在住者だからこそ知っている台湾の生情報やお薦めのレストラン、旅行会社に勤務しながら、趣味と実益を兼ねて旅した世界50カ国の都市の見どころや観光ポイントをた~くさんご紹介させていただきます♪

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