おくあすか
棚田と集落が織りなす、国の重要文化的景観。
飛鳥川の上流にあたる、稲渕・栢森(かやのもり)・入谷(にゅうだに)などの一帯を指します。
村の中心部から南へ、川に沿って坂を上がっていくと、田が段になり、集落が斜面に貼りつくように現れます。飛鳥の宮があった平地とは、まったく違う風景です。
2011年、この一帯は「奥飛鳥の文化的景観」として国の重要文化的景観に選定されました。
選ばれたのは、景色の美しさだけではありません。山あいで米を作るための水路の引き方、畦の積み方、集落と田と山の位置関係。そうした暮らしの仕組みがまとまって残っていることが評価されました。人が手を入れ続けてきたからこそ保たれている景観です。
毎年1月、稲渕では飛鳥川をまたいで「男綱(おづな)」と呼ばれる太い綱が架けられます。上流の栢森には、対になる「女綱(めづな)」があります。
村に災いや疫病が入らないようにという勧請縄で、いまも集落の手で綱を綯(な)い、掛け替えが続けられています。
栢森から先には、女渕(めぶち)・男渕(おぶち)と呼ばれる滝と淵があります。
飛鳥川はここでは細い渓流です。この水が下って、かつての宮のそばを流れていたことになります。
近鉄橿原神宮前駅から周遊バス「稲渕」下車ほか。石舞台古墳から南へ、坂を上がって歩くこともできます。
棚田も集落も、いまも人が暮らし、耕している場所です。道は狭く、駐車場も限られます。畦や私有地に立ち入らず、道から眺めてください。
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