飛鳥の明日香の里を(明日香村)/散策スポット/亀形石造物
かめがたせきぞうぶつ
水を導く仕掛けをもつ、斉明朝の祭祀の場。
2000年の調査で見つかった石造物です。酒船石のある丘の北の裾にあたります。
湧水を受ける石組みの水槽から、小判形の石造物へ、さらに亀形の石造物へと水が流れる構造になっています。周囲は石を敷き詰めて整えられ、両側を石垣で囲まれていました。
亀形石造物は、長さ約2.4メートル、幅約2メートル。花崗岩をくり抜いて、甲羅と頭と四肢を彫り出しています。
頭の部分から水が入り、甲羅にあたるくぼみに溜まり、尾の側から流れ出る。水を溜めて見せるための造りです。
手前の小判形石造物も同じく水を溜める槽で、二つが直列につながっています。
この一帯は、斉明天皇の時代の祭祀の場と考えられています。湧き出た水を石の槽に導き、段階を追って流していく。水そのものを見せ、清める行為が繰り返されたとみられます。
『日本書紀』には、斉明天皇が石垣をめぐらせた丘に「両槻宮(ふたつきのみや)」を造ったという記事があります。丘の上の酒船石と、丘の下のこの施設は、一体のものとして「酒船石遺跡」と呼ばれ、その両槻宮に関わる可能性が指摘されています。
2026年7月26日、「飛鳥・藤原の宮都」の構成資産のひとつとして世界遺産に登録されました。
近鉄橿原神宮前駅から周遊バス「万葉文化館西口」下車、徒歩約3分。見学は有料で、公開時間が決まっています。
丘の上の酒船石は無料でいつでも見られます。上と下をあわせて訪ねると、この丘全体が造成された施設だったことが実感できます。
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