飛鳥の明日香の里を(明日香村)/散策スポット/古宮遺跡
こみやいせき
水田のなかに石組みの溝が残る、宮か邸宅の跡。
豊浦の水田地帯のなかにある遺跡です。かつてこのあたりには「古宮土壇(こみやどだん)」と呼ばれる小高い高まりがありました。
いま訪れても、案内板と水田が広がるだけです。田に水が張られる初夏には、空と山の影が水面に映り込みます。
発掘調査では、石を組んだ溝と、石を敷きつめた遺構が見つかっています。
水を引き込んで見せるための造りとみられ、苑池、つまり庭園の一部だったと考えられています。飛鳥時代の有力者が、水をあしらった庭を構えていたことになります。
飛鳥京跡苑池や酒船石遺跡と同じく、この時代の飛鳥では水を扱う施設が繰り返し造られました。
ここが何の跡なのかは、まだ決まっていません。
古くは、推古天皇が603年に遷った小墾田宮(おはりだのみや)の跡とする説がありました。「古宮」という地名も、その伝承にもとづくものです。
その後、北にある雷丘東方遺跡から「小治田宮」と書かれた墨書土器が出土したことで、小墾田宮をそちらに求める見方が強くなっています。蘇我馬子の邸宅の一部とする説もあります。
明治時代には、この付近から金銅製の四環鈴(しかんれい)が出土したと伝えられます。
四方に環のついた珍しい鈴で、国の重要文化財です。用途ははっきりしませんが、祭祀に用いられたとみられています。
近鉄橿原神宮前駅から周遊バス「豊浦」下車、徒歩約5分。見学は無料です。
甘樫丘と向原寺のあいだにあたるので、豊浦のあたりを歩くついでに立ち寄れます。
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