飛鳥の明日香の里を(明日香村)/散策スポット/鬼の俎・鬼の雪隠
おにのまないた・おにのせっちん
斜面をはさんで残る、古墳の石室が分かれた姿。
7世紀に造られた古墳の石室が、分かれて残っているものです。
丘の斜面の上にある平らな石が「鬼の俎(おにのまないた)」、その下の道端に転がっている家形の石が「鬼の雪隠(おにのせっちん)」と呼ばれています。二つで一組、もとはひとつの石室でした。
花崗岩の大きな石を2つ使い、下の石をくり抜いて遺体を納める部屋とし、上の石を家の屋根のような形に削って蓋にする。横口式石槨と呼ばれる造りです。
その蓋にあたるのが雪隠です。斜面を転げ落ち、いまの位置で仰向けになっています。内側をのぞくと、部屋をくり抜いた面がそのまま見えます。ふつうは中にあって見られない部分が、外を向いていることになります。
俎のほうは底石です。斜面の上に平らな面を見せて残っています。
盛土はすでに無く、石だけが残りました。もとは方墳であったと考えられていますが、規模ははっきりしません。
丘の上にはもう一組の底石もあり、このあたりに複数の古墳があったとみられています。
名前は伝説によります。このあたりに住む鬼が霧を降らせて旅人を迷わせ、捕らえた人を俎(まな板)の上で調理して食べ、雪隠(便所)で用を足した——という話です。
石舞台、亀石、金鳥塚。飛鳥では、用途の分からない石に村の人が名前をつけてきました。学問の言葉とは別の呼び名が、いまも生きています。
宮内庁が管理しており、石そのものに近づくことはできません。柵の外から見学します。
近鉄飛鳥駅から徒歩約10分。すぐ北に欽明天皇陵、その傍らに猿石で知られる吉備姫王墓があり、南東には天武・持統天皇陵。駅からの道すがら、まとめて歩けます。
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