飛鳥の明日香の里を(明日香村)/散策スポット/飛鳥水落遺跡
あすかみずおちいせき
中大兄皇子がつくった日本初の水時計の跡。
660年に造られた、日本最古の水時計台の遺跡です。甘樫丘の東のふもと、飛鳥川沿いの平地に位置します。
『日本書紀』は、斉明天皇6年(660年)に中大兄皇子が「漏刻(ろうこく)」を造り、はじめて時を知らせたと記しています。この記事にあたる遺跡と考えられています。
濠に囲まれた石貼りの基壇と、その上に建つ総柱建物。基壇の内部には木樋が走り、中央には漆塗りの木箱が据えられていました。
前例のない構造でしたが、調査の結果、時を告げる漏刻台であることが分かります。最上段の給水槽から最下段の受水槽へ水を流し、水位の上昇を目盛りで読んで時刻を測る。階段状に槽を並べた漏刻が想定されています。
この仕組みは唐から伝わったものと考えられています。
時刻を測り、それを人々に知らせることは、律令国家をつくるうえで欠かせない仕組みでした。役人の出退勤、儀式の開始、市の開閉。共通の時間がなければ、国は動きません。
漏刻台が造られたのは、大化の改新から15年後です。国の形を整えていく過程の一部として、時計が置かれたことになります。
これらの遺構は7世紀後半には廃絶しています。近江大津宮への遷都にともない、漏刻も飛鳥から大津へ移されたとみられます。
いま現地に残るのは、石貼りの基壇と柱の位置を示す表示だけです。
2026年7月26日、「飛鳥・藤原の宮都」の構成資産のひとつとして世界遺産に登録されました。
近鉄橿原神宮前駅から周遊バス「飛鳥」下車、徒歩約3分。見学は無料で、いつでも入れます。
すぐ隣に石神遺跡があり、飛鳥寺や甘樫丘へも歩いてすぐです。
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