飛鳥の明日香の里を(明日香村)/散策スポット/稲渕の棚田
いなぶちのたなだ
日本の棚田百選。秋には巨大な案山子が立つ。
飛鳥川の上流、稲渕の南向きの斜面に広がる棚田です。谷に沿って大小およそ300枚の田が段になって重なります。
1999年に農林水産省の「日本の棚田百選」に選ばれました。
2011年には、稲渕・栢森・入谷の一帯が「奥飛鳥の文化的景観」として国の重要文化的景観に選定されています。
選ばれたのは景色の美しさだけではありません。水路の引き方、畦の積み方、集落と田の位置関係といった、山あいで米を作るための仕組みがそのまま残っていることが評価されました。
秋には「案山子(かかし)コンテスト」が開かれます。棚田のなかの道沿いに村内外から寄せられた案山子が並び、中心には見上げるほどの「ジャンボ案山子」が立ちます。
テーマは毎年変わるので、同じものは二度と見られません。年ごとの世相が案山子になって現れます。
この時期は畦を彼岸花が赤く縁どり、刈り入れ前の稲の緑と重なります。稲渕の棚田がいちばん知られているのは、この季節です。
ただ、季節ごとに姿がまるで違います。
初夏は水を張った田が段ごとに空を映します。夏は稲が伸びて斜面全体が緑になり、冬は刈り取りのあとに稲わらを円錐形に積んだ「にお」が点々と残ります。
どの季節でも、対岸の山と集落まで一望できます。
近鉄橿原神宮前駅から周遊バス「稲渕」下車、徒歩約10分。石舞台古墳から南へ坂を上がって歩くこともできます。
棚田は見学のための施設ではなく、いまも米を作っている農地です。畦に立ち入らず、道から眺めてください。
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